Gordon Research Conferenceに参加してきました

2017年07月31日 お知らせ
 

2017年7月23日~28日に米国Vermont州Stoweで開催されたAmyotrophic Lateral Sclerosis & Related Motor Neuron Diseases (Gordon Research Conference) に小野寺先生,須貝先生と共に参加しました.

小池佑佳先生

ポスター発表する小池医師

Stoweは米国の北東部に位置し,日本からは飛行機を乗り継いで,直近の空港(Burlington国際空港という聴き慣れない空港です)まで約16時間,さらにそこからタクシーで50分程度かかる片田舎の小さな町です.冬はスキー観光が有名であり,夏は避暑地として知られている場所ですが,7月下旬でも気温は20℃前後であり,期間中,長袖が手放せない状態でした.
このGordon Research Conferenceは,scienceの分野で歴史をもつ研究集会の一つであり,unpublish dataも含めて,各ラボの最新の研究成果を発表し,積極的に議論する場として広く認識されています.そのため,秘密主義を約束し,口演もポスターも含めて,発表内容に関する写真撮影は一切禁止されていました.もう一つの特徴として,Conference場所と宿泊施設は近接し,5泊6日の会期中ずっと参加者は同じ宿泊施設に泊まり,3食を共にしながら,十分な議論が尽くせるような環境が整っています.ALSがこのconferenceのテーマとして取り上げられることは初めてとのことですが,今回は,約160名 (うち日本からは5名) が参加し,37件の口頭発表と87件のポスター発表がありました.ポスターは会期中を通じて掲示し,ポスター発表時間も1人あたり,2日間が割り当てられ,活発なdiscussionが行われるように配慮されていました。
 全体を通じ,欧米における家族性及び孤発性ALSの原因として最多であるC9orf72に関する演題が多くを占めていましたが,TDP43及びFUSの蛋白,RNAの挙動に基づいた病態研究についても複数発表されていました.また,マウス,ハエ等のモデル動物やiPS細胞から分化させた運動ニューロン等のmaterialを用いた病態解明の成果発表が多いものの,C9orf72を中心に,治療に向けたアプローチについても最新の知見が報告されていました.
 私自身はTDP43量の自己調節に関して,ポスター発表を行いました.ポスターに興味をもってくれた研究者の方々から貴重な意見を頂く機会があり,拙い英語ながら,自分の考えを説明することができ,充実した時間を過ごすことができました.

小池先生とルームメイト

小池医師とルームメイト

全米及び欧州を主体にALS研究のトップランナー達が一同に会する(有名な論文のlast author達がたくさんいました)このconferenceに参加できたことは大変よい経験になりました.また,このConferenceでは,口演やポスター発表において,若い研究者の活躍がとても目立っていました.さらに,私がツインルームをシェアすることになったのは,今年からNIHのPIになった30代の女性でした.若くても,才能をどんどん発揮して,道を切り開いていっている人達が世界には大勢いることを改めて認識し,そういった意味でも非常に刺激的な機会でした.この経験から得たことを日々の研究生活にも是非活かせるようにしたいと思います.

大学院3年 小池佑佳

Stoweflake conference center

Stoweflake conference center

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