畠野雄也 先生のSCA6に関する論文がNeurology Genetics誌に掲載されました
2025年02月22日 脳神経内科だより
畠野雄也 先生らの研究がNeurology Genetics誌に掲載され,脊髄小脳変性症6型(SCA6)のCAGリピートの病原性閾値と発症年齢に影響を与える要因を明らかにしました.
SCA6はCACNA1A遺伝子内のCAGリピートの異常な増加によって発症しますが,病的なリピート数の閾値や非伸長アレルの影響については確定していませんでした.
本研究では,J-CATと共同で,2,768名の患者の遺伝情報を解析しました.CAGリピート数と発症年齢・家族歴との関係を調査した結果,
- 19~20リピートは「中間的な遺伝子型」であり,単独では発症しにくく,非伸長アレルが影響を与える
- 21~22リピートは病原性を持つ可能性が高く,非伸長アレルが発症年齢に影響を与える
- 23リピート以上では遺伝子単独で発症を引き起こし,非伸長アレルの影響は見られない
この研究により,SCA6の診断基準が明確になり,遺伝カウンセリングや発症予測の精度向上が期待されます.
【論文タイトル】Redefining the Pathogenic CAG Repeat Units Threshold in CACNA1A for Spinocerebellar Ataxia Type 6
【著者】Yuya Hatano, Tomohiko Ishihara, Sachiko Hirokawa, Hidetoshi Date, Yuji Takahashi, Hidehiro Mizusawa, Osamu Onodera