金山武史 先生の論文がExperimental Neurology誌に掲載されました

2024年12月26日 脳神経内科だより

金山武史 先生の論文がExperimental Neurology誌に掲載されました.おめでとうございます.

Oxygen–glucose-deprived peripheral blood mononuclear cells act on hypoxic lesions after ischemia-reperfusion injury
(Kanayama T, Hatakeyama M, contributed equally)

血栓溶解療法(薬により血の塊を溶かす治療)や機械的血栓除去術は,脳梗塞後の血流回復(再灌流)率を劇的に向上させました。しかし,血流が回復したにもかかわらず,麻痺などの機能障害が残存する患者さんが多くいることが問題とされてきました.

研究グループは,脳梗塞の新しい治療法を研究しています.この治療法では,患者さん自身の血液から取り出した細胞(末梢血単核球)を低酸素低糖刺激して使います.
研究で分かったことは主に2つあります.
1.投与した細胞が脳梗塞の病変に集まる機序として,SDF-1とCXCR4という遊走因子が重要な役割を果たす.
2.治療効果として,細胞治療により,脳梗塞で低酸素になった部分の状態が改善すること.

この成果を基に,患者さん自身の細胞を使って,脳梗塞で損傷を受けた部分を修復する治療の開発に取り組んでいます.

脳研究所ホームページでも紹介されています,ぜひご一読ください.

脳梗塞に対するヒト末梢血単核球を用いた新しい細胞療法の作用機序を解明

ページの先頭へ戻る