International Congress for Ataxia Research(ロンドン)に参加しました
ICAR(International Congress for Ataxia Research,2024年11月12日-15日,ロンドン)に参加しました.羽田からヒースロー空港まで13-14 時間,ヒースロー空港からロンドン市内まで電車を乗り継いで1時間半ほどの移動になります.会場はロンドンホワイトチャペル地区のホテルです(写真).
石原智彦,永井貴大 先生,畠野雄也 先生,小野寺理 教授の4人での参加になりました.
それぞれ,SCA6のアルギニン治験,小脳失調評価スケールであるiPATAX,SCA6リピート数の病原性閾値,についてポスター発表を行いました(写真).3演題とも,論文投稿中のホットな内容になります.永井先生のポスターには患者さんも訪れ,iPATAXの実演が行われました(写真).
学会演題ではやはり遺伝子が新規に同定された疾患の報告が目立ちました.ZFHX3遺伝子のGGCリピート(ポリグリシン)によることが判明したSCA4,FGF14遺伝子イントロン内のGAAリピートで発症するSCA27B,の2つです.特にSCA27Bは欧米での症例が比較的多く,症状が特徴的(高齢発症,緩徐進行,画像萎縮軽度,上小脳脚画像変化,Episodic な症状,コーヒーで悪化など)なこともあり,注目度が高いようでした.比較的最近に同定されたCANVASはもう一息ついたようです.また,MSAはMovement Disorderの範疇だからか,ほとんど見かけませんでした(欧米はMSA-Pが多いです).治験,治療の取り組みもすすんでいるようです.Biogen,PTC,などがブースを作っていました.特にBiohaven社のTroriluzoleはSCAに対する第3相試験で有意な結果が得られ,今後の進展が期待されるようです.
今回の学会で得た治験を臨床,研究に生かしてまいります.(石原智彦)