International CADASIL and VCI Symposiumに参加しました

2024年07月12日 脳神経内科だより

2024年7月12日,京都で開催された4th International CADASIL and VCI Symposiumに参加しました.

Symposiumは,非常に広範囲な内容でした.韓国や台湾におけるCADASILのphenotype, genotypeに関する内容や本邦からの出血指向型の報告に始まり,CHOICEやGENESIS-Kといった非常に大規模な脳卒中の全体的なstudy,さらにCADASIL東アジアレジストリについて,と多岐な内容で,メモを取り続けました.朝から夕方まで濃密なスケジュールの会でしたがあっという間に時間が過ぎて行きました.

また,会場が島津製作所本社ということもあり,lunch break後には施設内見学の企画がありました.質量分析器や細胞/試薬解析器などを初め数えきれないほどの機器が展示されており,それぞれについて詳細な説明をしてもらいました.私はこの春から大学院生で,実験機器にも触れるようになったこともあり,さらに興味を持って聞くことができました.以前であれば理解が及ばず,なんだか格好良い機械だな,で終わっていたかもしれません.

当科からは,小野寺理 教授の口演があり,安藤昭一朗 先生,私自身もポスターセッションでの発表をいたしました.

私は昨年度経験した,NOTCH3 p.Gly1347Arg変異症例に関連して,同変異の病原性を検討する発表をしました.発表後には韓国の先生から同様の経験症例についてコメントをいただきました.ポスター発表は最終セッションということもあり,ワイン片手にディスカッションや意見交換が進み,全体的に暖かい雰囲気を感じる学会でした.

symposiumの後には,主催の国立循環器病研究センターの先生方御企画の懇親会に参加させていただきました.エキスパートとお話しし,交流を持つことができ貴重な経験でした.会の途中で,舞妓さんの登場もあり,京都らしさを感じる華やかな時間を過ごすことができました.お座敷遊びである「こんぴらふねふね」にも興じました(写真).安藤先生は,お酒の入った中でも判断力を鈍らせず,素早い手捌きと粘りで舞妓さんに勝っていました(かなり会場は盛り上がりました).その後に挑戦した私はとてもあっけなく負けてしまいました.

終了後にはカメラを片手に街を歩いて周りました.7月の京都は祇園祭の時期です.各所からお囃子の聞こえる中で,市街は浮かれているような気配でしたが,夜中でもあり人通りもまばらな二年坂を写真におさめることができました.

最後になりますが,今回のsymposiumのopening remarksでは,患者会の方のスピーチがあり,それも印象的でした.改めて,病態解明やそれを臨床へ繋げることが重要な分野だと感じました.現在私自身は,基礎的な研究に携わらせていただいております.まだ,基礎のキの字も理解していませんが,ゆくゆくは臨床に関連する仕事にも結び付けられると良いなと思いました.色々と考えさせてもらえる良い学会でした.発表,参加の機会を与えていただき感謝しております.(荻根沢真也)




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