第42回日本認知症学会学術集会 参加報告その2

2023年11月28日 脳神経内科だより

2023年11月24日から11月25日まで奈良県奈良市で行われた第42回日本認知症学会学術集会に参加致しました.

生まれも育ちも新潟である私はこの時期の新潟の冷たい雨や強風にはすっかり慣れていますが,学会当日の奈良は寒いながらも風は弱く雲一つ無い青空でした.奈良駅付近の路上には来月行われる奈良マラソンのポスターが数多く目に入りました.奈良マラソンはアップダウンが大きくタイム狙いは難しいですが,平城宮跡をはじめとした数々の名所を巡り奈良の魅力を存分に楽しめるコースのようです.澄み渡った晴空の下を颯爽と駆け抜けるランナーの姿を想像しながら,宿泊先から会場の奈良県コンベンションセンターまでの道を歩きました.

ポスター発表は午後2時40分だったため,それまでの間Plenary Sessionとランチョンセミナーに参加しました.やはり現在認知症領域でホットな話題は疾患修飾薬に関する内容であり,外来診療でも患者さんやご家族から疾患修飾薬に関する質問を受ける機会が増え,世間の関心の高さが伺えます.私は現在,疾患修飾薬の治療反応性に影響を及ぼすアルツハイマー病の合併病理を検出するバイオマーカーをテーマに研究をしており,大変勉強になりました.

これまで学会でスライド形式での発表の機会は何度か頂いていましたが,今回が私にとって初めての会場のポスター発表となりました.ポスター発表に関しては卒後3年目にポスター発表で参加予定だった日本神経学会学術大会では出発前日に急に参加出来なくなり,その後はコロナ渦の影響で学会がWeb形式になるなどで縁がありませんでした.ポスター発表は1時間の自由討論形式でした.口頭発表とは異なり研究内容の説明や質疑応答に十分な時間が与えられているため,これまでお会いしたことのなかった方から貴重なご質問やご意見を数多くいただくことが出来ました.中には事前にポスターに目を通してから質問してくださる方や検査会社の研究グループの方もいらっしゃって非常に新鮮な刺激を受けました.

自由討論の時間はあっという間に過ぎ,発表後は新潟への帰路につきました.滞在期間は短かったですがとても有意義な時間を過ごすことが出来ました.大学院生としての研究生活は半分が過ぎました.研究が実を結ぶよう引き続き励んで参ります.
(大学院生 五十嵐一也)
五十嵐先生モザイク加工

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