2021年国際パーキンソン病と運動障害疾患会議で座長を務めました
2021年国際パーキンソン病と運動障害疾患会議(9月17日〜22日)において多系統萎縮症のセッション(番号315)で座長を務めさせていただきましたのでご報告します.この国際会議は今年も昨年同様にバーチャル開催となりました.私が担当したセッションのテーマは「Towards Precision Medicine in Multiple System Atrophy with Revised Diagnostic Criteria」であり,現在改訂が進められておりもうすぐ公表が見込まれる,多系統萎縮症の新しい診断基準に基づいて,今後の診療のあり方がテーマになりました.もう一人の座長はオーストリアのGregor Wenning教授でした.
本番までの準備として7月に,座長のあいさつ,演者の紹介,各演者の発表の録画作成などが行われました.録画作成日は,日本時間の深夜に関係者がZoomで打ち合わせしながら録画作業を行いました.
会議当日は,日本時間で9月22日の午前0時から担当のセッションが始まりました.冒頭からは7月にあらかじめ録画していた部分が放映され,3名の演者による発表と,ポスターセッションで優秀演題だった2名の追加発表がありました.ニューヨーク大学のHoracio Kaufmann教授からは,多系統萎縮症の新しい診断基準についての解説がされました.インスブルック大学のAlessandra Fanciulli先生からは多系統萎縮症の臨床症候への対応についてレビューが発表されました.メイヨークリニックのWolfgang Singer先生からは,多系統萎縮症への病態修飾薬の開発努力について,これまでの報告をレビューした内容が報告されました.その後,優秀演題の2名の発表があり,残りの30分で,座長と演者がZoomでライブ出演する質疑応答の時間が設けられました.この本番直前になって,もう一人の座長であるWenning教授が急用でライブ出演できないとの連絡があり,慌てましたが,急遽,演者のお一人で以前から親交があったニューヨーク大学のHoracio Kaufmann教授に,本番直前にお願いし,メインの進行役をお引き受け頂き,何とか事なきを得ました.
しかし,Zoomでのライブが始まると同時に,回線トラブルに見舞われ,途中で何度もフリーズしたようで,お見苦しい箇所が多かったと思われます.
今回の2021年国際パーキンソン病と運動障害疾患会議での座長の仕事は,準備期間から本番まで多難な道のりでしたが,大変貴重な経験をさせて頂きました.これまでご支援頂きました方々に,心から感謝申し上げます.
2021年9月26日
新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院
小澤鉄太郎