11月15日 抄読会
『DLBとAD鑑別のための,SPECTにおけるCingulate Island Sign (CIS)の検証』
(Imabayashi E, et al. Ann Nucl Med. 2017;31:536-543.)
FDG-PETにおけるCingulte Island Sign (CIS)は,2017年のレビー小体型認知症(DLB)の診断基準にも,支持的バイオマーカーとして採用されてます.SPECTでも同様の所見を検証した論文につき,抄読会を行いました.
DLBはアルツハイマー型認知症(AD)についで多い認知症であり,両者の鑑別は臨床的に重要です.
DLBでは楔前部に比し,後部帯状回の代謝が保たれており(CIS),この所見はADとDLBを鑑別するのに重要です.
そこで,SPECTにおける血流低下でも同様の鑑別ができるかを検証しました.
2005年診断基準でprobable DLBに該当する症例と,健常者のSPECTを比較し,DLBで特異的に血流が低下している部位(volume of interest, VOI)をVOI 1 (p < 0.01),VOI 2 (p < 0.05)と設定しました.
次にNIA-AA基準でprobable ADに該当する症例のSPECTを撮影し,ADで特異的に血流が低下しているVOIを同定しました.
CIS scoreを
ADのVOIからVOI 2を引いた領域のz-scoreの合計/VOI 1のz-scoreの合計
と設定しました.
(即ち分子はDLBで低くなり,分母はDLBで高くなるため,DLBであればCIS scoreは低くなる)
CIS scoreを用いたところ,ADとDLBは最大AUC (Area under the ROC Curve) 0.882と高い鑑別能が得られました.
PETに比し簡便に使用できるSPECTでの検討であり,臨床的に非常に重要な知見と考えます.是非ご一読ください.