ICN 2018
第19回ICN (国際神経病理学会) 2018が東京で開催されました
2018年9月23日から9月27日まで第19回ICN (国際神経病理学会) 2018が東京で開催されました。1990年の第11回京都大会に引き続き, 日本で二回目の大会で, プレジデントは新潟大学脳研究所名誉教授・理事 高橋均先生でした。世界各国から研究者が参加し, 大盛会でした。
私は多発性硬化症 (MS)・視神経脊髄炎 (NMO) のシンポジウム ‘Evolving landscapes in pathology of MS and NMO’ を担当しました。ウイーン大学のHans Lassmann先生, ゲッティンゲン大学のWolfgang Brück先生, ハーバード大学のFrancisco J Quintana先生, 新潟大学の河内のシンポジウム構成でした。今年, ネイチャー誌に掲載されたばかりの話題などがあり, 大きく盛り上がりました。シンポジウム以外にも, フロアやバンケットで多くの討論を交わしました。最新の学問の行方は, 顔と顔を突き合わせた語らいにより生まれることを痛感しました。
一般演題では, 当科からは柳村文寛先生 (大学院生) が視神経脊髄炎の病理について口頭発表しました。大変, 立派な発表でした。
今年は, CharcotとOrdensteinによるMSの臨床病理学的記載 (1868年) から150年の節目の年です (PMID: 29807916)。150年前も今も, 神経疾患の包括的理解, 病態機序のヒントは神経病理学的記載から生まれます。神経病理学の視点を忘れずに, 積極的に当大学脳研究所で行われるCPCや国際学会に参加し, 質問や討論を行うことが, 神経内科医としての臨床力・研究力を培う上で重要です。新潟大学脳研究所神経内科は, 同じビルディングに病理学分野の先生方がいらっしゃる, 共に歩んでくださる, これが最大の魅力だと感じています。 (河内泉)